007 ロシアより愛をこめて

007 ロシアより愛をこめて

あらすじ
犯罪組織「スペクター」は、クラブ諸島の領主ノオ博士の秘密基地を破壊し、アメリカ月ロケットの軌道妨害を阻止した英国海外情報局の諜報員007ことジェームズ・ボンド(ショーン・コネリー)への復讐、それもソビエト情報局の美人女性情報員と暗号解読機「レクター[2]」を餌にボンドを「辱めて殺す」事で両国に泥を塗り外交関係を悪化させ、更にその機に乗じて解読機を強奪するという、一石三鳥の計画を立案した。

 実はスペクターの幹部であるソビエト情報局のクレッブ大佐(ロッテ・レーニャ)は、真相を知らない部下の情報員タチアナ・ロマノヴァ(ダニエラ・ビアンキ)を騙し、暗号解読機を持ってイギリスに亡命する様、また亡命時にはボンドが連行する事が条件だと言う様に命令する。英国海外情報局のトルコ支局長・ケリム(ペドロ・アルメンダリス)からタチアナの亡命要請を受けたボンドは、罠の匂いを感じつつも、トルコのイスタンブルに赴いた。しかし、そこにはスペクターの刺客・グラント(ロバート・ショウ)が待っていた。(wikiより引用)

OPテーマ:From Russia with Love

レビュー
 007映画第2作目にして、シリーズでも名作と名高い本作。前作と違い秘密兵器の登場、Qの顔見せなど今後の作品においてキーパーソンとなる要素が盛り込まれている。またボンドの因縁の敵となる国際犯罪組織スペクターの幹部もストーリーに深く関わっている。まさにシリーズを語る上で外せない一作だと言える。ちなみに前作の悪役ドクター・ノオもスペクターの一員のため、名前だけ登場する。

 ロシアより~は「これぞスパイアクション映画!」といった展開が全編繰り広げられる。前半部分はスペクターが策謀を張り巡らし暗躍。その中で行動するボンドがどんどん錯綜していき、緊張の連続で見ているものを引き込む。後半に差し掛かり今回の宿敵であるグラントがボンドの前に姿を現すと、そこからは怒涛のアクションの連続だ。映画の教科書のような緩急の付け方が光る。そんな中グラントに嵌められ銃を突きつけられ絶体絶命のピンチになったシーンが印象深い。劣勢ながらも駆け引きをするボンドが最高にクールなのだ。シリーズ屈指の名場面であり、ボンド映画において「彼は捕まったとき、どのように切り抜けるのか」という見所を作り上げた。前作のボンドは捕まったとき若干小物臭が…。

 またグラントが私利私欲により隙を作って負けたのに対し、ボンドが最後まで諦めず命を賭けて(もちろん勝算があってのことだが)任務を遂行したのは、彼の根幹に滅私奉公の精神があることを視聴者に知らしめた。ジェームズ・ボンドはただの色情魔ではなく、愛国心を持ったエージェントなのだ。

 最後にボンド・ガールであるタチアナに振れておこう。おそらく歴代のボンド・ガールの中で最もチャーミングなのは彼女だ。子どもっぽい笑顔がベッドの上では艶っぽい微笑みになり、愛を語る口は真実を噤む。もう一人の女性にこれでもか、というくらい色々な要素が詰め込んである。単純に可愛いし。

 前作がジェームズ・ボンドの人物像を作り上げたのに対し、今作はボンド映画の全体像を作り上げた傑作だと思う。ただ結果として大衆に好まれるボンド映画が、原作と乖離していき方向性を見失う時期もあるのだが、それはまた別の項で触れよう。

ミリタリー
※ここでは007が使用した銃火器を中心に紹介します。全部挙げてたらきりがない!

ワルサーPPK

007 ロシアより愛をこめて

 前作にも登場した愛銃。前の記事に書き忘れたのだが、ボンドはPPKをショルダーホルスターに収納している。そのうえスーツも羽織っているので素早く抜きたい時に不便のような気もするが、レッグホルスターではスパイ活動には目立ちすぎるからだろう。今作でもPPKを撃ちまくるシーンがある。装弾数のことは気にしない約束だ。それにしてもアイアンサイトを使わずによく当てられる。

ウィンチェスター AR-7

007 ロシアより愛をこめて

 分解してバレル・レシーバー一式をストックに収納できる面白いボルト・アクションライフル。劇中でも重要なシーンにおいて活躍、2打数2安打と古株のPPKを差し置いて目立ちまくっていた。残念ながら完全再現されたエアガンは発売していない。そもそもAR-7のガスガンが80年代に登場して以降めっきりトイガンとは縁が無い銃だ。木製のAR-が7発売すれば、どんなメーカーであろうと予約殺到は必至だと思う。かく言う僕もボンドコスでサバゲに行くときのメインウェポンはAR-7が好ましい。


以上。次回は「007 ゴールドフィンガー」になります。





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2013年04月26日 Posted by ビスコ  at 21:00 │Comments(2)007

この記事へのコメント
画像はPPKではなく、PPK/Sですよね?ボンドはPPKのハズですが・・・
それと、AR-7は、ウインチェスター社では製造していなかったのでは?
ただ、AR-7は時代を変えて数社からコピーされていたようですから
「なになに社製」かは特定できない可能性はありますが。ウインチェスター社
から製造されていたというのをご存知でしたら情報を。
Posted by よこやり失礼 at 2013年04月28日 10:05
>>よこやり失礼さん
コメントありがとうございます。
よくぞ気付いてくれました。確かに画像はPPK/Sであって、PPKではありません。
これは理由があります。マルゼンよりトイガンで発売されているのはPPK/Sのみで、PPKがありません。恐らく僕がボンド衣装でサバゲをするときもPPK/Sになってしまいます。記事でその注釈をするためにPPK/Sの画像を用意していたのですが、文章量の関係で次回のゴールドフィンガーの時に触れるつもりでした。そこにPPKの丁度いい画像もないし、とりあえずコレで…ということで放置してました。ツッコミありがとうございます!

AR-7に関してはごめんなさい。外部サイトの情報を見て掲載しました。信頼性は定かではないですが「メディアガン・データベース」というサイトを参照しました。

007好きな方がミリブロにいて嬉しいです。
Posted by ナマチューナマチュー at 2013年04月28日 18:00
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