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欲望のバージニアってイイヨネ。

禁酒法時代(いわゆるボルステッド法の時代)を取り扱った映画というとアンタッチャブルが一番有名ですかね。歴史を紐解いていくと面白い題材なんで、もっと色んな作品が出ていいと思うんですけどね。近年では「華麗なるギャツビー」が禁酒法時代を背景にしたドラマとして公開されまししたが、ガッツリ禁酒法を扱うのは片手で数えるくらいしか知りません。
映画「欲望のバージニア」はまさに禁酒法の真っ只中で、密造酒商売を稼業にしていたボンデュラント兄弟の隆盛と衰退を描いた映画です。これが中々評判が微妙。評論家も軒並み「可もなく不可もなく」と下しています。

それではイカレた兄弟を紹介するぜ!!!
バージニアの密造酒界では名うてのタフガイ!不死身の男も肺炎には勝てなかった。
次男「フォレスト・ボンデュラント(トム・ハーディ)」だ!!!右
兄弟一の武闘派だけど弟には頭が上がらない!映画の立ち位置も微妙だぞ。
長男「ハワード・ボンデュラント(ジェイソン・クラーク)」参上!!!左
お兄ちゃん、僕だって背伸びしたいよ。主人公はお前なんか~い!!!
三男「ジャック・ボンデュラント(シャイア・ラブーフ)」も名乗りを上げた!!!真ん中

その他ガイ・ピアースやミア・ワシコウスカ、そして我らがゲイリー・オールドマンも伝説のギャングとして登場します。今が旬の俳優から実績のある名優まで揃えたキャストだけでも見る価値ありますね。ゲイリー演じるフロイド・バナーは、それこそ友情出演程度の露出ですが存在感は抜群。トンプソンを乱射するシーンは痺れました。ガイ・ピアースのチャーリー・レイクスはやり過ぎだろ!!!ってくらいヘドの出る悪役。魅力もなく、ただただイヤらしい。

映画の内容はボンデュラント兄弟の禁酒法における顛末を描いただけ。色恋沙汰もありますが、見所とは言い難いですね。
そして主人公がフォレスト、かと思いきやジャックだったりします。ジャックの成長譚という側面が強く押し出されているので、トム・ハーディ目当てだと肩透かしくらいます。

禁酒法の真っ只中のアメリカというと、混沌とした社会情勢が思い浮かびますがバージニアの田舎風景は長閑で厭世的。それをブチ壊す暴力、銃声。雰囲気が抜群にいいです。というか、そこに惚れ込めるかどうかでこの映画の評価が分かれます。話の本筋は簡単で、ボンデュラント兄弟から甘い汁を吸おうとしたけど断られた政府の汚職官レイクスが彼らと悶着を起こすのです。悲劇の応酬、禁酒法を題材にした映画には必須の「血で血を洗う抗争」が延々と続きます。

ジェシージェームズの暗殺(ブラッド・ピット主演)もそうでしたが、もっと目玉の役どころ(今作のフォレスト)の視点で話が進んでくれればと思いますね。映画のコンセプトを根底から覆すことになりますが、ジャックの成長日記が大半を占める流れは退屈です。大人のギャングな世界をもっと描いて欲しかった。それでも最後は男を見せたジャック。映画に必要な人物には間違いないんですけどね。
記事を書き始めてから公開するまで、かなり時間がかかりました。本当に語るべき点が少ないんですよね。シナリオの起伏も少ないし、記事向きじゃないんです。じゃあなんで書いたかっていうと…

ゲイリーがかっこいいから。
キャストに魅力を感じる人にはおすすめです。それ以外の人には退屈かも。