マフィアとギャングの違い~その1~
大人気FPSシリーズ「バトルフィールド」の最新作「Battlefield Hardline」は戦争や紛争を題材とした過去作から一転、警察VS犯罪者という図式でゲームが展開されます。
賛否両論ある作品ですが、僕もサバゲに行けないストレスをPS4版で解消しまくってるので、マルチで遭ったらお手柔らかに。
さてマルチプレイの勢力のうち、犯罪者に分類されるグループは「窃盗団」「ギャング」が存在します。なんだよマフィア無いのかよ~、と落胆した僕の姿は想像に難くないと思いますが、別にギャングでいいじゃんと言う方もいるかもしれません。
ミリヲタでいうデルタとレンジャーくらい違うんだよ!!!
うん、たぶん。きっと違う…はず?
なんとなく言葉のニュアンスで「マフィア」「ギャング」それぞれのイメージを持っていましたが、厳密な違いは知らぬ存ぜぬの僕。…調べてみました。
以下の内容は個人の解釈も含まれてますので、もしかしたら誤った知識かもしれません。
興味があれば一読していってください。
①マフィアの発祥
結論から言うとマフィアとギャングは別物です。僕の大好きなwikipediaによれば「ギャングとは犯罪暴力集団、もしくは不良少年を指し、それが成熟したのがマフィア(※要約)」とあります。
なんか腑に落ちないですよね。そして続きにはこう書いてあります。
「マフィアとは本来イタリアのシチリア島を起源とした犯罪集団」
つまりマフィアとはシチリアにおけるギャング、という解釈ができます。
ただコレで丸く収まるなんて、話はそう単純ではありません。
そもそもマフィアの起源とされるシチリア島の集団は犯罪を目的として発足されたわけではありません。
中世のシチリアは国境に位置し諸外国が代わる代わる支配権を奪い合い、混沌とした時代が長く続きました。その中で圧政に苦しむことが多く、次第に民間における相互援助の縄張り意識が強く芽生えたのです。
そして「自分たちの身は自分たちで守る」気質からシチリアの農地管理人は自警を目的に武装し、農家を政府や外敵を跳ね除けました。
その見返りとして農民たちから報酬を受け取る、という今で言う「みかじめ」がマフィアのビジネススタイルの起こりなのです。土地が違うだけで、ルーツは日本の極道と変わらないですね。
純粋なマフィア、と呼ぶのが相応しいかはわかりませんがシチリアのマフィアが大元なのは間違いありません。
そこから長い歴史の中でシチリア発祥のソレは「組織的な犯罪集団」としてシフトしていきます。
ちなみにマフィアという呼称が生まれたのは1282年起きた事件「シチリアの晩祷」が由来とされていますが、コレも諸説あったりしますので興味のある方は自身で調べてみてください。
②マフィアの秘匿性
マフィアはシチリアの自警団、という歴史的解釈は先に述べた通りですが今「マフィア」という言葉のイメージに直結しないのも事実です。
例えばマフィアの見た目。チェスターコートの下にブラックスーツ、ボルサリーノの帽子を目深に被り革靴を鳴らしながら歩く。
もう誰が見てもマフィアです。それに対してギャングはオープンでラフなスタイル。40年代ならズートスーツに派手なネクタイで金銀ピカピカ装飾品。現代ならダボダボのジーンズにパーカー、そして口元にスカーフといったところでしょうか。
正直なところ、我々の想像するマフィアとギャングの違いって中身より外見によるイメージが大きくないですか?
しかしこのマフィアはスーツまたは正装でビシッとしている、という先入観はどこから生まれてくるのでしょうか。
間違いなくゴッドファーザーやアンタッチャブルなどの映画による所が多いかと思います。
ではなぜ彼らはスーツにハットという格好で登場するのでしょうか。
マフィアは徹底した秘密主義の集団です。それは日本のヤクザや麻薬カルテルなどとは比べ物にならないほどで、現代においてもマフィアの全容と歴史で世に出回っているのは一部だとも言われています。
情報化社会の現代においても異端と言っていいでしょう。
マフィアは普通の企業や一般人の中に紛れ込み、地域に根ざして生活しています。
末端の構成員であれば自分がマフィアの犯罪の肩入れをしていることすら知らずに働いていたりもします。
そして本人は自分からそれを知る由が全くないのです。
シチリアの人々は横の繋がりが強い、という中世まで遡った風土はマフィアの根幹には常にありました。
裏切りや内部崩壊を一番に恐れ、それら防ぐためにオメルタの掟という鉄の鉄則があり(前回の記事参照)
2015/03/23
各項はどれも沈黙を目的としたものだということが一目瞭然です。
これこそがマフィアたる所以なのです。
話を戻しますと、マフィアは秘密結社の性質から一般のライフスタイルに溶け込むことが重要とされています。ひと目でマフィア、と分かるようではマフィア失格なのです。
だからマフィアは一般人と同じような格好(ギャングスタイルでない私服)で行動し、自分の身分を決して明るみにしません。映画をよく見るとマフィア以外の人も案外似たような服装してませんか?
アンタッチャブルのケヴィン・コスナーを、映画の内容知らない人に「主人公のマフィア役だよ」って紹介しても信じてもらえそうですよね。
マフィアが一躍有名になった時代、一般的に流行っていたスタイルがイメージとして定着しているだけなのです。
僕もスーツでサバゲしていてマフィアだと気づかれないので、本格派ですね(棒読み)
というわけで、今回はここまで。次回からはアメリカへ移住したマフィアたちのお話をしようと思います。
関係ないけど↑グリコ家族のテーマソングにして動画一本撮りたい曲。最近Caro Emeraldにハマってます。
この記事へのコメント
今回はガチで勉強になりました!!
Posted by コーンパイプ at 2015年04月06日 15:23